AI Overviewに引用されやすいサイトの傾向は? 会計ソフト関連クエリのGEO分析
目次
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象クエリ | 会計ソフト関連クエリ(「会計ソフト おすすめ」「会計ソフト 選び方」等) |
| 分析期間 | 2026年3月 |
| 平均引用数/AI Overview表示 | 12.9件 |
【分析1】AIに引用されたサイト
Top10 引用ドメイン(全体)
インテント別 Top引用ドメイン
Know(情報収集系)
Do(実践系)
Buy(比較選択系)
Go(ナビゲーション系)
今回の対象データでは、biz.moneyforward.com が全引用のうち282件(全引用数の約7.5%)と最も多く引用され、次いで youtube.com(198件)、it-trend.jp(132件)と続きます。
マネーフォワードBizは Know・Do・Go すべてのインテントでTop引用を獲得しており、特に Do(実践系)では129件と突出しています。一方、Buy(比較選択)系クエリでは it-trend.jp や boxil.jp といった比較・レビューサイトが上位を占め、Go(ナビゲーション)系クエリでは salesforce.com・hubspot.jp といったベンダー直ドメインが引用される傾向が見られます。
インテントによって引用されやすいドメインが明確に異なると考察されます。
また YouTube が全体2位に入っている点は、動画コンテンツもAI Overviewの引用源として一定の役割を担っている可能性を示唆しています。ただし、今回の対象データは限られたクエリセットであり、他業界での傾向が同様とは限りません。
【分析2】引用されやすいコンテンツ要素
※ 検出方法:AI Overviewが引用したページのスニペットテキストに対して正規表現パターンマッチングを実施。各要素の検出パターンは次の通り(表:|記号やTable_content:等、FAQ:Q:・よくある質問等、箇条書き:・•等の行頭記号、定義文:とは、等、番号付きリスト:行頭の数字等、見出し:##等)。1スニペットに複数要素が同時に検出される場合あり。要素が何も検出されない場合はプレーンテキストとして集計。
スニペット内コンテンツ要素の検出頻度(全体)
インテント別コンテンツ要素
Know(情報収集系)
Do(実践系)
Buy(比較選択系)
Go(ナビゲーション系)
今回の対象データでは、引用スニペット内で最も多く検出されたコンテンツ要素はプレーンテキスト(3,037件)であり、全検出件数の約8割を占めています。次いで定義文(316件)、表・テーブル形式(269件)が続きます。
インテント別に見ると、Buy(比較選択)系では表形式の検出(174件)が他インテントと比べて相対的に高く、比較表を含むコンテンツが引用されやすい傾向があると考察されます。Know(情報収集)系では定義文の検出が多く(205件)、概念・特徴を明確に説明したコンテンツが引用されやすい可能性が示唆されます。
Go(ナビゲーション)系はクエリ数が9件と少ないため傾向の読み取りには注意が必要ですが、プレーンテキストと表形式が中心となっています。ただし、要素の検出はスニペットのテキストパターンに基づく簡易分類であり、実際のページ構造とは差異がある場合があります。
【分析3】どのtypeのコンテンツが引用されるか
引用コンテンツのtype分布(全体)
| タイプ | 件数 | 割合 | 説明 |
|---|---|---|---|
| Owned(公式) | 3200 | 85.4% | 公式・オウンドメディア |
| Affiliate(比較・アフィリ) | 533 | 14.2% | アフィリエイト・比較サイト |
| Not Found | 16 | 0.4% |
インテント別タイプ分布
Know
Do
Buy
Go
今回の対象データでは、AI Overviewに引用されたコンテンツの約85.4%(3,200件)が Owned(公式・オウンドメディア)であり、アフィリエイト・比較サイトは約14.2%(533件)にとどまります。
インテント別に見ると、Know・Do・Buy・Go すべてのインテントで Owned が7〜9割を占めており、特に Go(ナビゲーション)系では公式ドメインへの集中が顕著です。一般に比較系クエリではアフィリエイトサイトが有利と思われがちですが、今回の対象データでは Buy インテントでも Owned(876件)が Affiliate(148件)を大きく上回る結果となりました。
専門性の高い領域において、公式情報やオウンドメディアが信頼性の観点でAIに優先されやすいと考察されます。ただし、サンプルデータ量が限られるため、業界全体の傾向として一般化するには追加調査が必要です。
【分析4】SEO順位と被引用の関係
各引用ページのGoogle検索順位(同一クエリでの自然検索順位)を調査しました。※ 圏外 = 20位以下
引用ページのSEO順位分布
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 圏外(20位以下) | 1988件(53.0%) |
| 1〜10位(Top10) | 1183件(31.6%) |
| 11〜20位 | 505件(13.5%) |
今回の対象データでは、AI Overviewに引用されたページのSEO順位を調査したところ、圏外(20位以下)が全体の約53%(1,988件)を占める結果となりました。SEO順位1〜10位(Top10)の引用は約31.6%であり、順位上位ページが必ずしも多く引用されているわけではないと考察されます。順位あり引用の平均順位は3.57ですが、中央値が0(圏外)であることからも、SEO順位と引用確率の相関は単純ではない可能性があります。
また、Google AI OverviewはQuery fan-outと呼ばれる仕組みにより、ユーザーの元のクエリを複数のサブクエリに展開して情報を収集します。そのため、「会計ソフト おすすめ」というクエリに対しても、AI内部では「会計ソフト 機能比較」「会計ソフト 中小企業向け」など関連する複数のクエリが派生し、それぞれで上位表示されるページが引用対象になります。これが、元のクエリでは圏外のページが引用される一因と考察されます。
GEO最適化がSEO最適化と独立した取り組みになり得ることを示唆しており、検索順位が低くてもAI Overviewに引用されるコンテンツが存在すると考察されます。ただし今回のSEOデータはGoogle Custom Search APIを用いた20位以内の取得であり、すべての引用ページの正確な順位を把握できているわけではありません。
データ定義
- 検索クエリは業界ごとの主要なキーワードとKnow/Do/Buy/Goワードの組み合わせ
- サイトタイプはサイト内に「PR」、「アフィリエイト」等の特定ワードが存在する場合アフィリエイトに分類。その他をownedに分類
- SEOは検索クエリに対する順位をCustom Search APIを用いて取得
- SEOは20位以外は圏外として集計
- コンテンツ要素の検出はスニペットテキストに対する正規表現パターンマッチング。1スニペットに複数要素が同時に検出される場合あり。要素が何も検出されない場合はプレーンテキストとして集計
本業界におけるGEOへの示唆
- 権威性・専門性の高い一次情報コンテンツを整備する:公式オウンドメディアが全引用の約85%を占めることから、専門性の高い一次情報ページがAI Overviewに選ばれやすいと考察されます。自社サービスや業界知識を深掘りした解説コンテンツの充実が有効と考えられます。
- Buy系クエリには比較表・構造化データを活用する:比較選択(Buy)系インテントでは表形式コンテンツの検出が相対的に高い傾向がありました。「〜おすすめ」「〜比較」などのクエリを対象に、比較表や機能一覧を含むページを整備することがGEO対策として有効な可能性があります。
- Go系クエリはブランドの公式情報を充実させる:Go(ナビゲーション)系インテントでは自社・競合の公式ドメインが引用の中心となる傾向が見られました。料金・拠点・アクセス情報など、ユーザーが直接探す情報を公式サイトで整備することが重要と考察されます。
- GEO対策をSEO順位とは独立した施策として検討する:引用ページの過半数がSEO圏外(20位以下)であることから、GEO最適化はSEOランキング改善とは異なる独立した取り組みとして位置づけられると考察されます。コンテンツの質や構造を改善することで、SEO順位が低くてもAI Overviewへの引用を狙える可能性があります。
- 動画コンテンツも引用源として意識する:YouTubeが全体引用数2位(198件)に入っていることから、テキストコンテンツだけでなく動画コンテンツもGEO観点での情報発信として検討する価値があると考察されます。
まとめ
会計ソフトをはじめとするBtoB SaaS関連クエリにおけるAI Overviewの引用パターンを291クエリ・3,749件の引用データで分析しました。今回の対象データでは、マネーフォワードBizをはじめとする公式・オウンドメディアが全引用の約85%を占めており、権威性の高い一次情報コンテンツがAI Overviewに選ばれやすいと考察されます。インテント別では Know・Do・Buy・Go によって引用ドメインやコンテンツ要素の傾向が異なり、特に Buy 系では比較表コンテンツ、Go 系ではブランド公式ドメインが優位な傾向が見られました。また、引用ページの約53%がSEO圏外(20位以下)であり、GEO対策がSEO最適化とは独立した取り組みである可能性を示しています。なお、今回の分析は限られたクエリセットに基づくものであり、すべての業界・クエリに同様の傾向が当てはまるとは限りません。今後はより多くの業界・期間でのデータを蓄積し、GEOの引用パターンの傾向把握を継続していく予定です。
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