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事例・データ 9分

AI検索でサイト流入は減少した?事例を元に影響を解説

#AI検索 #AI Overview #SEO #AIO #コンテンツ戦略
「最近、SEO経由のサイト流入が落ちてきた気がする。それはAI検索の影響なのか?」——すでにこうした変化を自社サイトで感じ始めている担当者も多いはずです。GoogleのAI Overviewや生成AIの普及によって、従来なら検索結果から記事へ流れていたクリックの一部は、検索画面やAIチャット上で完結するようになってきました。

ただし、そこで起きているのは単純な「全部減った」という話ではなく、サイト流入の構造変化です。実際、公開データを見ると、AI検索によって既存のSEOクリックが落ちやすくなっている一方で、AIOの文脈ではAI経由の新しい流入も生まれています。この記事では、AI検索とAIOがサイト流入に与える影響を、事例ベースで整理します。
目次
  1. 事例を1つずつ見る
    1. Pew Research:AI Overview が出るとクリックは減る
    2. Ahrefs:AI Overview 表示時のCTR低下
    3. Axios:大手ニュースサイトの検索流入低下
    4. Guardian:AI Overview下で首位サイト流入が最大79%減という試算
    5. Tow Center:AI検索は従来検索ほど流入を送っていない
    6. Search Engine Land / Reuters Institute:2029年までに43%減予想
    7. PLAN-B:AI流入は増えているが、まだ小さい
  2. なぜこうした影響が起きるのか
  3. どの検索で影響が出やすいのか
  4. 企業は何を読み取るべきか
  5. まとめ

AI検索によるサイト流入影響の事例を1つずつ見る

Pew Research:AI Overview が出るとクリックは減る

Pew Research Centerは、2025年3月の米国ユーザー行動データから、AI Overviewが表示された検索では通常の検索結果リンクがクリックされた割合が8%、表示されなかった検索では15%だったと示しています。さらに、AI Overview内のソースリンククリック率は1%でした。

Pew Data Recreated

AI Overview の有無で、Google検索後の行動はどう変わるか

2025年3月のGoogle検索における行動比率(Pew Research Center の公開数値をもとに自作図化)

AI Overviewあり
AI Overviewなし
AI Overview内のリンクをクリック
1
N/A
通常の検索結果リンクをクリック
8
15
検索を終える
26
16
Google検索を続ける
32
35
Googleを離れて別サイトへ移動
34
33

注: 四捨五入のため合計は100%にならない場合があります。出典: Pew Research Center, “Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results” の公開数値をもとに自作。

この事例から言えるのは、AI検索で AI Overview が出るだけで、ユーザーのクリック行動が変わり、SEO経由のサイト流入に減少圧力がかかるということです。特定業界の話ではなく、検索UIの変化そのものが流入減少圧力を生んでいると読めます。

Ahrefs:AI Overview 表示時のCTR低下

Ahrefsは30万キーワードを分析し、AI Overviewが表示された情報収集クエリでは、1位ページの平均CTRが34.5%低いと報告しました。

ここで重要なのは、単に「サイト流入が減った」という総量の話ではなく、上位表示できていてもクリックされにくくなることを示している点です。SEO順位の問題ではなく、AI検索によるクリック率低下がサイト流入減少の一因になっている可能性を示す事例として使えます。

Axios:大手ニュースサイトの検索流入低下

AxiosがSimilarwebデータをもとに報じたところでは、米国の上位500メディア・ニュースサイトでは、従来型検索からの平均ページリファラルが2024年5月の530万から2025年2月の450万へと、15%以上減少しました。

AIチャットボットからのリファラルは増えているものの、まだ小さく、検索減少分を埋めるには至っていません。この事例が示すのは、AI検索による影響が「クリック率の変化」だけでなく、実際のサイト流入減少として観測され始めていることです。AIOで新しい流入経路が生まれても、現状ではSEO流入の減少をすぐ補完できるとは限りません。

Guardian:AI Overview下で首位サイト流入が最大79%減という試算

The Guardianは2025年7月24日、Authoritasの分析として、検索1位だったサイトでもAI Overviewの下に結果が押し下げられると、そのクエリにおける流入が約79%減る可能性があると報じました。

同記事では、MailOnlineがAI Overview付き検索結果で、デスクトップのCTRが56.1%、モバイルで48.2%下がったと述べたことも紹介されています。これは個別のニュースパブリッシャー事例ですが、「順位を取っていても、AI表示でクリックが飛ばなくなる」ことを示す現場寄りの証言です。

Tow Center:AI検索は従来検索ほど流入を送っていない

Columbia Journalism SchoolのTow Centerレポートは、2025年5月時点で多くのニュースパブリッシャーが従来検索からのリファラル急減を経験していると整理しています。

同レポートでは、TollBitの2025年2月調査として、AI検索ボットは従来のGoogle検索より平均で95.7%少ないクリック流入しか送っていないとも紹介されています。つまり、AI検索やAIOが情報探索の入口になっても、従来のSEOと同じだけサイト流入を送るわけではない、ということです。

Search Engine Land / Reuters Institute:2029年までに43%減予想

Search Engine Landは2026年1月12日、Reuters Instituteレポートをもとに、ニュースパブリッシャー幹部が2029年までに検索流入が43%落ちると見込んでいると報じました。

同記事では、Chartbeatデータとして、2024年11月から2025年11月にかけてGoogleオーガニック検索流入が世界全体で33%減、米国では38%減という数字も紹介されています。これは実績値と将来見通しの両方を含む事例で、「減少は一時的ノイズではなく、中長期の構造変化として見られている」ことを示します。

PLAN-B:AI流入は増えているが、まだ小さい

PLAN-Bの調査では、2025年2月から4月にかけて、調査対象サイトの83.0%で生成AI経由セッションが増加した一方、サイト全体に占める割合は大きいものでも1%未満とされています。

この事例は、「AI検索経由の流入は増えている」という事実と、「まだ既存のSEOサイト流入の減少を埋めるほどではない」という事実を同時に示しています。つまり、今起きているのは単純なチャネル置き換えではなく、既存流入の減少圧力と、AIOで捉えるべき新しい流入チャネルの立ち上がりが並行して進んでいる状態です。

💡 ポイント!

ここまでの事例をまとめると、AI検索が少なくとも一部のSEOクリックとサイト流入に影響を与え始めていることは、かなり明確です。Pew Research と Ahrefs は、AI Overview が表示されるだけでクリック率が落ちやすくなることを示しています。Guardian、Axios、Tow Center、Search Engine Land が扱う事例からは、特にパブリッシャー領域で、クリック率低下ではなく実際のサイト流入減少として観測されていることもわかります。

一方で、PLAN-B のデータが示すように、AI検索経由の新しい流入も増えています。ただし、その規模はまだ小さく、既存のSEO流入減少をすぐ補完する段階には達していません。つまり、今起きているのは「流入が全部なくなる」ことではなく、サイト流入の構造が変わっているということです。

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なぜAI検索でこうしたサイト流入影響が起きるのか

背景にあるのは、ユーザーが外部サイトへ移動する前に、検索画面内で答えを得られるようになったことです。AI Overviewは、従来なら複数のページを読んでいた情報収集をSERP内で完結させ、SEO経由のサイト流入を削りやすくします。

また、AI Overviewは Query fan-out を行っており、ユーザーが検索したクエリから想定される周辺情報や追加情報もまとめて表示します。そのため、従来であればユーザーが追加で行っていた検索までAI Overview内である程度処理され、検索回数そのものを減少させている可能性もあります。

💡 補足

根拠があるのは、あくまで情報収集系クエリでCTRが落ちやすいという点です。すべての検索、すべてのページで一律にサイト流入が減るとは、このデータだけでは言えません。

どのAI検索・クエリで影響が出やすいのか

ここは、事例から言えることと、現在の状況から読み取れることを分けて整理すべきです。まず、公開根拠として言えるのは、Ahrefsの分析対象である情報収集系クエリで影響が出やすい可能性が高い、という点です。

ただし、このAhrefsの記事は2025年4月時点のデータに基づいています。一方で、現在はAI Overviewの表示対象がより広がっており、情報収集系以外のクエリタイプでも出現しやすくなっています。したがって、2025年4月時点で観測された「情報収集系でクリックが落ちやすい」という傾向は、今後は情報収集系以外のクエリにも広がっていく可能性が高いと見るのが自然です。

キャスクでも、金融領域の分析記事でAI Overviewの表示傾向を整理しています。クエリタイプごとの出方を見たい場合は、以下も参考になります。

📊 関連記事 金融業界のAI Overview分析 AI Overviewがどのようなクエリで出やすいかを、金融領域の実例ベースで整理した記事です。

この変化にどう向き合うべきか

ここまでの事例を見る限り、AI検索によるサイト流入の変化は、一時的なノイズとして元に戻るものではなく、今後も続くトレンドとして捉えるべきです。AI Overviewの表示は広がっており、検索行動そのものがSERP内完結へ寄っています。

そのうえで重要なのは、「昔のSEOに戻ること」を期待することではなく、この変化に対応することです。既存のSEO流入に減少圧力がかかるなら、AI検索の中でどう見つかり、どう引用され、どう比較されるかまで含めて設計しなければなりません。

AIOが本当に必要なのか、流入や引用にどう効くのかを詳しく見たい場合は、以下の記事で整理しています。

📈 関連記事 AIOは不要?事例から見る影響と効果 AIOやAI検索経由のサイト流入が増えている側の国内外事例は、こちらの記事でまとめています。

結論として、AI検索によるサイト流入変化が続く前提に立つなら、AIOはもはや不要とは言いにくいフェーズに入っています。SEOだけを見るのではなく、AI検索の中で自社がどう扱われるかを改善対象に含めることが必要です。

まとめ

AI検索でサイト流入は減少したのか。この問いへの答えは、「少なくとも一部の領域では、すでにSEOとサイト流入に影響が出ている」です。

Pew ResearchやAhrefsは、AI Overview によってクリックが減りやすくなっていることを示しています。さらにGuardian、Axios、Tow Center、Search Engine Landが扱う事例からは、特にパブリッシャー領域で、従来のSEO流入の低下とAI流入の小ささが同時に起きていることがわかります。

重要なのは、感覚論で「減った」「増えた」を語ることではなく、公開事例が示している事実を正しく読むことです。既存のSEOクリックとサイト流入には減少圧力がある。一方で、AIOの観点ではAI経由の新しい流入も生まれている。ただし、現時点ではまだ代替しきれていない。この構図を前提に考えることが、AI検索時代の現実的な出発点になります。

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